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あ な た は
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血液塗抹ガイド

1.採取・塗抹

細胞診診断

針生検材料の適切な採取・塗抹方法
例:圧挫伸展法
  • STEP1
    注射針を病変に刺し、数回前後させて細胞を採取。
  • STEP2
    針に空気を入れたシリンジを装着し、スライドガラスの端から1/3程度の位置に、針で採取した細胞を吹きつける。
  • STEP3
    スライドガラスをもう1枚用意して十字に重ね、細胞が広がるのを確認する。
  • STEP4
    一定の速度でスライドガラスを横に滑らせ、すばやく風乾する。
体腔貯留液(胸水・腹水)の適切な塗抹方法
例:圧挫伸展法
  • STEP1
    貯留液をスピッツ管などの容器に入れる。
    この段階で、TPの測定をお願いいたします。もし可能であれば総有核細胞数(TNCC)を併せて測定し、依頼書にご記載ください。細胞形態だけで病気を絞り込めない場合もTPやTNCCなどの付加情報があることでより詳細な診断が可能となります。
  • STEP2
    直接塗抹標本を作製。
    スライドガラスの端から1/3程度の位置に貯留液を垂らし、スライドガラスをもう1枚用意して十字に重ね、細胞が広がるのを確認する。一定の速度でスライドガラスを横に滑らせ、すばやく風乾する。
  • STEP3
    450G、5minの遠心分離。
    (半径20cmの遠心機の場合1500rpm、5min)
  • STEP4
    上清を捨て、沈渣をスポイトで採取。
  • STEP5
    沈渣塗抹標本を作製。
    スライドガラスの端から1/3程度の位置に沈渣を垂らし、Step.2と同様に塗抹。
  • STEP6
    直接と沈渣、両方の塗抹標本をご提出ください。
尿の適切な塗抹方法
例:圧挫伸展法
  • STEP1
    尿を滅菌済スピッツ管に入れる。
  • STEP2
    450G、5minの遠心分離。
    (半径20cmの遠心機の場合尿を滅菌済スピッツ管に入れる。 1500rpm、5min)
  • STEP3
    上清を捨て、沈渣をスポイトで採取。
  • STEP4
    沈渣塗抹標本を作製。
    スライドガラスの端から1/3程度の位置に沈渣を垂らし、スライドガラスをもう1枚用意して十字に重ね、細胞が広がるのを確認する。一定の速度でスライドガラスを横に滑らせ、すばやく風乾する。

血液塗抹診断

血液の適切な塗抹方法
例:引きガラス法弊社推奨方法
  • STEP1
    右端から1/3程度の位置にEDTA全血を垂らす。
  • STEP2
    引きガラス用のスライドガラスを用意し、垂らした血液の左側に添え、血液が一直線に広がるのを確認する。
  • STEP3
    30度程度の角度に保ち、スライドガラスを一定の速度で左側に滑らせ、すばやく風乾する。
適切に作製された血液塗抹標本と部位説明
① 引き始め部分
血球が重なり一般的に観察には不適。自己凝集などが見えやすい傾向がある場所。
② 細胞が一層になった部分
一つ一つの血球の観察に最適な部位。光の反射で虹色にみえる場所。
③ フェザード・エッジ(塗抹の引き終わり部分)
鳥の羽状にみえ、比重の重い物体、腫瘍細胞などが集まりやすい傾向がある場所。

2.染色

推奨する染色方法
簡易染色は診断に必要な情報が少なく、非診断的あるいは確定診断が困難となるケースがあります。未染色(メタノール固定済み)でのご提出あるいは、ライト・ギムザ染色を施してご依頼されることを推奨します。(やむを得ず簡易染色でご提出される場合には、依頼票に染色方法をご記載ください。)
  • ライト・ギムザ染色
    注射針を病変に刺し、数回前後させて細胞を採取。
  • 簡易染色
    顆粒リンパ性白血病の簡易染色同じ症例だが顆粒が見えず、核の濃さも全く異なる。
ライト・ギムザ染色方法
  • STEP1
    リン酸緩衝液と各染色液を下記のように混合します。
    • 水で10倍に希釈したリン酸緩衝液(pH6. 4)… 8ml
    • ライト液 …1ml
    • ギムザ液 …0.4ml
  • STEP2
    塗抹標本にメタノール100%(瓶から出したての新鮮なもの)を満載し、1-5分間固定します。
  • STEP3
    標本に載せたメタノールを捨て、1で作製したライトギムザ染色液を満載し、30分間染色します。
  • STEP4
    流水で裏・表を十分に水洗します。
  • STEP5
    ドライヤーで風乾します。

※染色濃度により、弊社にて再染色を行うことがありますので封入はせずにご提出ください。

3.チェック

より良い標本作製のポイント
①取り扱い方法
  • 液体材料の細胞診や血液を、そのまま(液体のまま)依頼しても良いですか?
    より良い診断のためには、液体材料の細胞診は本ページの採取・塗抹方法を参照し速やかに病院内で塗抹標本を作製してください。血液は採血後すぐにEDTA採血管で転倒混和し、本ページの血液の塗抹方法を参照し速やかに病院内で血液塗抹標本を作製してください。
    輸送中の時間経過により血液や液体中の細胞が変性します。その結果、得られる情報がごく僅かとなり、時に診断不能となるケースがあります。
    • 良い例
    • 時間経過により血液細胞が変性し、診断不能となった血液塗抹標本の例
    • 良い例
    • 時間経過により血液細胞が変性し、診断不能となった血液塗抹標本の例
    血液塗抹診断でヘパリン採血管を使用しても良いですか?
    ヘパリン採血管で処理した血液の血液塗抹診断はお受けいたしかねます。抗凝固処理をする場合にはEDTA採血管をご使用ください。
    ヘパリンにより血液細胞形態や染色性が変化し、診断不能な標本となります。
②手技 「よくある失敗例」と対処
  • 失敗例 1 - 鏡検下でのチェック
    • 細胞が重なってしまい一層でない一つ一つの細胞が観察できない
    • 細胞が一層に広がり、一つ一つの細胞が観察できる

    確認:低倍率(対物10-20倍)

    対処法

    細胞が多く採取されると厚い標本ができやすい傾向があります。このような場合には、針生検材料の適切な採取・塗抹方法の3の工程で、細胞が薄く広がってから塗抹をするようにします。

    失敗例 2 - 鏡検下でのチェック
    • 細胞が潰れ、核のみとなっている
    • 核の周りに淡い色の細胞質と、それを包む細胞膜がみえる

    確認:高倍率(対物40-100倍)

    対処法

    採取された細胞が少ない場合は薄く塗抹を引くと細胞が潰れやすい傾向があります。
    このような場合には針生検材料の適切な採取・塗抹方法の3の工程で、細胞が広がりすぎないよう、あまり力を入れすぎず、一定の速度で塗抹をするようにします。

    失敗例 3 - 肉眼的なチェック
    • 血液が多量に混入、目的の細胞が血液に埋もれ診断不能となる原因に

    確認:高倍率(対物40-100倍)

    対処法
    • エコー下で血管を避け穿刺
    • シリンジを使わず針のみで採取
    失敗例 4 - 肉眼的なチェック
    • 何も採れていない?著しく細胞数が少ない場合も診断不能となる原因に
    • 適切に作製、染色された細胞診塗抹標本
    対処法
    • 細胞が採れるまで何度か繰り返し採材
    • 針にシリンジを付けて吸引

4.送付

ご提出時の注意点
依頼書
  • 以下の記入漏れがないかご確認ください。
    • 動物の個体情報と臨床所見、採取部位、採取方法、染色方法
    • 体腔貯留液の場合、貯留液のTP(もし可能であれば総有核細胞数も記載)
    • 血液・骨髄の場合、同日のCBC結果
郵送中のトラブル
    • 破損を避けるため、スライドケース等に入れてご提出ください。
    • ホルマリン漬けの検体と同時に送る場合は、ホルマリン蒸気による影響を避けるため、厳重に密封し、別々に梱包してください。
    • ホルマリン蒸気による影響で診断不能となった血液塗抹標本
    • ホルマリン蒸気による影響で診断不能となった血液塗抹標本
    • 良い例(比較対照)
    • ホルマリン暴露により色調が変わり診断不能となった例